トシ

「トシ」の語源は「穀物を意味した語トシの転義。穀物の実りは1年を周期としたところから」(日本語源大辞典)実りを意味していて、「稔」=「トシ」「ミノル」とあててました。日本では普通、稲は1年に1度実るから、昔は 稲の実りを意味していたようです。その「とし」が1年の単位を表す言葉へと変化していったようです。

「歳神様」は稲の神様であり、実りをもたらす神様です。歳神様の力が宿る「お年玉」は実りの力、霊力を示す言葉です。東北では、お正月に作る丸餅のことは「年玉」と言われているようです。「年玉」は歳神様にお供えするお餅で、そのお餅をいただくことで神様の恩頼(みたまのふゆ)をいただき、無事に1年を過ごすことができるという信仰です。歳神様の代理となる方、つまりその家の長から「お年玉」をいただくという習慣。歳神様からの霊力をいただくのが「お年玉」です。語源辞典にも載っていますが、お年玉が金銭になったのは最近のことのようです。お年玉の本当の意味、今、失われてしまってますよね。残念です。

「トシ」=「稔」=「神様の実りの霊力」=「年」

溢れるほどの神の恵みの中で積み重ねていく「年」。与えられている毎日の一瞬一瞬が宝です。

 

KONICA MINOLTA DIGITAL CAMERA
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